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HOME > 製品情報 > 技術情報 > コラム-電圧・電流波形記録の見方
 
【電圧・電流波形記録の見方】 > 印刷ページへ
 波形記録の必要性と記録方法
[1]電力系統の事故解析
電力系統は自然環境の中にあって雷撃、風雨、雪などのストレスを受けやすく、また電力系統を構成する電力機器全般の劣化によって短絡や地絡事故が発生する。この事故点を瞬時に検出する保護継電器、その遮断指令で事故点を除外する遮断器が応動して、健全系統は安全に送電を維持される。
電力・電流波形の記録装置(通称、オシロという)は電力系統に事故が発生した場合に、その事故発生直前、事故継続中、事故除去後にわたってユーザーが希望される諸元(電圧・電流波形、保護継電器の応動など)を自動的に記録できるものである。記録結果の用途として、電力系統に発生する諸現象の解析、電力系統保護継電器とその周辺機器の応動解析などが可能である。
[2]波形記録の必要性
(a)保護継電器装置の応動解析
保護継電器装置の動作、不動作の良否判定をねらいとする記録をする場合、電力系統に発生した事故の種類(短絡、地絡)、継続時間とその推移、保護継電器の機能時間とその推移、保護継電器の機能別応動状況を記録させ、事故時に保護継電器が正常に動作したか否かを解析判定する。その結果で「不良」と判定されれば、不良原因を更に調査、解析することになる。
(b)系統安定化制御装置の応動解析
電力系統の動揺現象の監視から事故波及防止のための予防制御、更に広範囲の捕らえられた面的な後備保護継電器の応動解析を目的とするもので、前述の保護継電器装置の応動解析用と併用される場合が多い。
系統安定化制御装置は一般的に自端だけで検出することなく、遠隔地点の情報授受で応動要否を検出しており、系統現象の解析に加えて信号電送装置の入出力情報を記録し、信号授受のタイミングが応動良否判定の決め手となる。
[3]記録要素の振幅値設定と組み合わせ
電力系統現象と各種継電器の応動を記録するための入力幅設定と各要素の組み合わせは、解析対象電力系統の規模、系統構造、中性点設置式および保護継電方式によって決定される。
(a)測定要素の振幅設定
(1)電圧要素
一般的に相電圧を測定する場合、PD二次定格電圧63.5V入力で振幅を5mmまたは10mmとする。中性点直接接地系の場合、1線地絡時の対地電圧が抵抗接地系より小さくなるので振幅を大きくとり、事故中の電圧低下時でも読み取りやすくする。
(2)電流要素
一般的に各系統ごとに以下のようになっている。
CT二次定格電流5A入力で振幅を
超高圧系の場合 10〜2.5mm
154kV以下系の場合 5〜1.25mm
154kV以下系(残留回路)の場合 5mmまたは10mm
154kV以下系(三次回路)の場合 5mm

(3)DC要素(ON/OFF要素) ほとんどの場合、入力変換器を介して振幅値が固定化されている。

(b)記録要素の組み合わせ
基本的に不特定多数の事故を記録するため、解析が容易になるように設備ブロック別の組み合わせとすべきである。
(1)AC要素(アナログ要素)の組み合わせ
AC要素の配列は相電圧(A、B、C相)、零相電圧(中性点直接接地系は不要)、各送電線、主要変圧器の相電流、零相電流を配列する。電圧要素は母線ごととし、それに通常系統構成される系統ブロックの送電線、バンクの測定要素を組み合わせ、事故現象が判読しやすくなる。
(2)DC要素の組み合わせ
一般的に要素配列はAC、DC要素が交互配列されているものと、ACを上側、DCを下側に配列されているものがある。
(3)DC要素の入力情報
DC要素としての測定入力情報は各ユーザーによって多少違うが、概略次の要素を入力としている。ただし、接地点情報の特性、遅延時間を認識していないと時間解析を誤ることになる。@保護継電器(17、44、78、87、95など)
●搬送信号(搬送端局装置の送受信レベル、85R、85Sなど)
●遮断制御信号(52TX、52bx)
●そのほか(事故発生時刻用パルス、転送遮断)


(c)測定時間の設定
記録時間には事故発生直前、継続中および事故除去後の3区分がある。
(1)事故発生直前
事故発生瞬時の様相、微小地絡などから進展事故または突発事故などを事故直前からその推移を解析するために記録する。
(2)事故継続中
事故継続中の場合、その事故程度、波形、時間が系統保護全般の応動解析を行うための必要情報である。
(3)事故除去後
事故が検出、遮断された後、ある時間継続させる。これは事故自体が完全に除去された場合問題ないが、保護継電器の検出感度以下の事故が継続している場合や、間欠事故時にこの情報が決め手になる。
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 波形記録の見方
[1]記録波形の解析方法
電圧・電流波形を解析する方法として、以下の二つの方法がある。
(a)記録紙からの解析
アナログ形オシロやメモリ機能のないオシロでは事故時の電圧・電流波形はすべて記録紙上に記録されていた(1図)。このため事故解析は人的作業のため、大変困難を要していた。
記録波形の解析方法
1図 記録紙上の電圧・電流波形
(b)デジタル処理されたデータからの解析
近年、電圧・電流波形は記録紙だけでなく、デジタル化された数値データとして記録されることもある。電圧・電流波形がデジタル化されることによって実効値、周波数、位相角、電力値などの算出が容易にでき、詳細な解析が可能になる(2図)。
デジタル処理されたデータからの解析
2図 パソコンによる事故解析(パソコン画面)
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[2]電力系統の事故解析
(a)振幅(波高)値の測定
記録紙に電圧・電流波形を記録する場合、ペン先が太いもので記録したときは、その振幅値を波形線幅の中心点間で測定するのが基本である。しかし、線幅の中心点を探索しがたいことから、3図に示すとおり第1波の正弦上側と負波上側間で測定すれば、比較的正確で容易に振幅値が求められる。ちなみにデジタル化された数値データ(電圧瞬時値)から電圧実効値を算出する場合の公式はとなる。
振幅(波高)地の測定方法
3図 振幅(波高)地の測定方法
(b)事故の継続時間測定
記録波形から事故継続時間を測定する場合、正弦または負波の数で時間を測定することになる。事故継続中の時間測定レンジとして保護継電器の動作領域である数Hzと、安定化制御の動作域にある数百Hzの2区分に大別できる。前者のほうは波の数をカウントすればよい。
すなわち、周波数が変化しない領域で、後者は単独系統の発生など周波数が変化する領域であることから、単位長ごとの波の数を積算または基本の1/10Hzごとの長さで周波数換算することになる。
しかし、波の数をカウントする場合、高調波の含有や位相反転などで測定が難しくなるが、基本波をベースにした測定なる。
一方、DC要素の時間想定はAC要素の波の数と対比して時間測定を行うことになるが、入力接点の性能や遮断器の種類によって動作遅延時間が一定でないことから、入力接点の特性を理解していることが必要である。特に保護継電器の遮断指令と遮断器のパレットSW間の動作遅延が大きいことがあるので注意を要する。
(c)AC要素の微小変動
電力動揺や脱調現象発生時および負荷特性による電圧の微小変動や事故電流のビートなどは記録紙の時間軸の横方向に観測しても、その変化量を容易に目測できないことが多い。この場合の測定として 次の方法が有効である。
(1)記録紙の時間軸を前後にしてのぞき込む。
(2)波形を包絡線結び、その変化を明確にする。(4図)
微小変化の見方
4図 微小変化の見方
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電力系統現象の解析
電力系統に発生する現象として短絡や地絡に伴う電力動揺があり、この他に最近は負荷の電力特性、瞬時電圧低下および高調波が問題点として顕在化しつつある。
これらの現象はいずれも人工的なじょう乱で、その徴候を測定できるが、営業系統での試験的じょう乱にはおのずから制約がある。
いずれの現象もその発生する時機は確実に予測しがたく、検出機能付きの自動オシログラフで観測、記録することになる。
[1]瞬時電圧低下
瞬時電圧低下(通称、瞬低という)は電力系統に雷撃などの自然現象で短絡や中性点直接設置系の地絡事故が発生したとき、保護継電器で事故発生該当区間を高速度で除去するが、事故発生から除去されるまでの極めて短時間(0.07〜2秒)事故点を中心に周辺区域が電圧低下することをいう(5図)。
事故時の瞬時電圧低下波及範囲は事故の程度、電力系統構成、電圧階級によって異なり、それらが密かまたは高いほど波及範囲が広く、その発生頻度は地域、季節、天候に影響されるため特定し難い。事故の発生を事前に予知できないことから、事故検出機能が付いた待機形自動オシロが最適である。
瞬時で電圧低下記録例
3図 5図 瞬時で電圧低下記録例
[2]高調波
技術革新ならびに制御技術の急速な発展によって半導体を応用した電力機器、家電、通信機器用電源の著しい普及で電力系統発に高調波を恒常的に発生させる元になっている。従来はパワーエレクトロニクス機器のほか電気炉も高調波の発生源となることもあるが、絶対量が少なかったので問題にならなかった。しかし、近年パワーエレクトロニクス機器の普及率が飛躍的に増加したため、高調波の影響が問題となっている。
電力系統に発生する高調波は多少時間帯によって異なるが、常時発生しているものと、ピーク負荷的にある周期および過度現象的に発生するものがり、かつ負荷の種類によって発生レベルも異なる。
高調波の影響は保護継電器の応動に顕著な支障を与えるほか、電力機器の焼損を招くこともあり、近年の測定解析は重要になっている。
高調波成分としては第3、5、7次の奇数次高調波が多く、更に高次の高調波が発生している場合もある(6図)。

高調波記録例

高調波記録例
6図 高調波記録例

[3]負荷の電圧特性
負荷の電圧特性とは、電力系統が巨大化した場合、重潮流電線の電源脱落などのじょう乱発生時に負荷電圧が徐々に低下していく電圧不安定現象(または電圧なだれ現象)をいう。
電力系統の事故を契機に系統じょう乱が発生し、この際の負荷側の振る舞いを記録する。すなわち、系統で短絡事故が発生した場合、電圧が瞬時低下、保護継電器で事故点を除去された後、電圧が回復方向になり、電力の一時遅れは概略0.01〜0.1秒で、大型誘導機器のある工場地域は長く、オフィス街から住宅地域に行くほど家電などの慣性の小さい小型モータや抵抗負荷が多いことから、一次遅れも短い傾向にある。
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